母の点滴には医療麻薬が入っていて、ボタンを押すと麻薬が流れる。麻薬は痛みを抑えてくれて、同時に不安を軽減して多幸感を与えてくれる。麻薬というか医療に感謝してる。これが無ければ今よりも地獄のような苦しみなんだろうし、死の不安でいっぱいになって頭がおかしくなってると思う。本当にありがたい。それでも腸閉塞をしているからお腹は腹水でパンパンに貼っていて、流れ処がない胃液や胃の内容物は鼻から直接通した管から排出させて、それでも出きらない部分や毎日嘔吐している。腕や足はガリガリにやせ細って、お腹だけはパンパン。足も段々力が入らなくなってきている。それでも時々お水を飲めたり、アイスは何故かこういう苦しい状態の人でもガリガリ君は食べられる人が多いらしく。日々少しづつ食べるガリガリ君を楽しみにしている。赤城乳業やそういう集合知にも本当に感謝している。訪問看護も2日に1回来てくれるし、訪問診療も日々やってきてくれて寄り添ってくれる。妹も3歳の子供の保育園の送り迎えもあるのに、仕事を辞めて俺が仕事を復帰した代わりに日中見てくれる。リップサービスかもしれないけど、母も俺に感謝してくれて、後悔はないと言ってくれる。本当にありがたい。涙が出て止まらなくなってしまうことも多々あるけど、少しでも快適に過ごせるように毎日食べられそうなアイスやフルーツを買って、生活が快適に過ごせるように物をそろえたりする日々。もっと沢山言葉を交わしておくべきかもしれないけど、なかなか言葉が出てこないから、その分態度で愛を伝えていきたいな。悲しいけど本当に長くはない。苦しい時間が短い方が良いと思うけど、これから痛みが治まらなくなってきたら麻薬の量はもっと増えて、日中もボーっとしたり、寝ている時間が増えるので、言葉や思い出を少しでも伝えて交わして長くは無い人生だったけど悪くなかったなって少しでも思ってもらえるように頑張りたい。これからお葬式のお見積りや諸々の準備を少しづつ進めていく。俺と、妹の家族3人と、母が家を出た時に半年も面倒を見てくれた渥美の叔父さん家族。合計5~10人ぐらいの小さいやつ。通夜は行わないし坊主も呼ばないけど心の籠った式を挙げたい。けど俺は式なんかよりも生きている今にこそ時間を割いてあげたい。口約束になってしまうかもしれないけど、多分母が唯一心配している、真ん中の妹のことも最低限何かしらの形で見捨てないようにすると約束をしてあげた。少しでも心残りが無いように取り計らいたい。