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www.youtube.com個人PV全部見た。その中でも一番良かったのは森本茉莉。予告PV時点から中身が気になる作品で一番見ていたけど、本編の出来が色んな意味で他とクオリティーとか方向性が違いすぎて異色の出来だった。

まず予告編では、森本の自己紹介でお馴染みタケモトピアノのパロディみたいなやつがのんびり流れる。おっ？普通の自己紹介系のかな？と思わせた数秒後に分裂する茉莉。即「普通の」が消えるやばい。けどまだギャグとか萌え系で可愛い女の子がいっぱいいたら嬉しいよね的な感じのかもしれない。テロップも「このお話にはもっともっと皆さんに楽しんでいただけるよう、よりたくさんの森本茉莉が登場します」って言ってる。OK。そういう方向性ね。わかった。カメラマンさんとかインタビューアーさんも登場するし、ちょっと変わった女の子茉莉ちゃんが自らの不思議な世界観を紹介する系のドラマ仕立てかもな。「はやく答えないとあなたもこの世界と一つになってしまいますよ」急に怖い！言い方も抑揚つけずに淡々と喋って最後のしまいますよの突き放す感じとか怖い！羊の群れと鳥とウサギの人形、赤文字の怖めのフォントで「茉莉異世界　MARIE　IN　WONDERLAND」は絶対怖いやつじゃん！それをふまえてもう一度見る。分裂茉莉たちが「おかえりなさいまた来てくれたんですね！」「何度も来てくれてありがとうございます！」「待ってましたよ？」急に意味を持ってくる。これ完全にYOUTUBEで動画を見ている視聴者である「あなた」に向かって言ってるじゃん。メタ構造のホラーじゃん！怖っという気持ちのまま何度もくせになって繰り返しみてしまう。この予告だけでもある意味完成している作品。

そして本編。普通の可愛い自己紹介系で始まり、動画で茉莉がいろんな表情やポーズをつけながらインタビューで趣味とか特技とかナレーションで答える茉莉。特技は夢を操れることですね。と言い出した辺りからおやおや？感が徐々に漂うも、まぁ別にちょっと変わった事を言う子という認識があるので頭に？を浮かべながらも適当に聞いていたら、途中で画面が３人称視点に切り替わりインタビューアーさんと、カメラマンさんが映る。ここで自己紹介風PVと思わせておいてドラマであるという一つの裏切り。そしてこのインタビューアーさんとカメラマンさんも頭に？を浮かべている。視聴者側の人間だ。２人に笑顔で喋り続けてどんどん訳のわからない事を口走る茉莉。世界がどうとか、あなたも操れない側の人間なんですか、とか段々顔がひきつっていく２人。そしてある瞬間にカメラマンが状態に異常をきたして、インタビューアーが振り返る瞬間に、カメラマンの姿は消失し、ウサギのおもちゃがそこに残る。ちょこちょこ動いて椅子から落下して壊れたように動くウサギ。恐怖に駆られて逃げるインタビューアー。学校の教室から逃げると違う部屋には複数人の茉莉「おかえりなさいまた来てくれたんですね！」逃げる違う教室「何度も来てくれてありがとうございます！」そうして屋上まで逃げると屋上には少しまともそうな茉莉。あなたもダメだったんですね。この世界は茉莉の夢の世界。あなたも茉莉の世界から生み出された住民なんです。この世界ももうおしまいです。屋上から外を見渡すと複数の巨人茉莉。うわぁぁぁってなったところで、はっと意識が戻るとそこは最初の教室。カメラマンもいる。なんだおかしな白昼夢をみていたのか、と気を取り直してちょっと休憩として教室を出る。廊下であれはなんだったのか？と神妙な顔のインタビュアーに複数の茉莉が「待ってましたよ？」と笑いかける。END。最後「彼らもダメだったか、次はあなたが茉莉を救い出してほしい茉莉は愛を欲している」とザラザラの映像の中まともそうな茉莉が視聴している「あなた」に向けて発信する。そこでのんきな音楽もーっともーっともりもっと♪で予告PVのあの映像が流れて、茉莉に愛を届けてください。フォーチューンミート（握手会とかミーグリのアプリ）で会いに来てね？という告知で終わるという。

こんな感じで予告から本編からとにかく個人PVならこうだろうという視聴者の想像を裏切り、ミスリードと伏線を散りばめたままぐるぐる感情を揺さぶってくる怪作で可愛いとか面白いという以前にシンプルに怖くて、やばくて、面白かった。作品としての出来が本当に素晴らしかったし世にも奇妙な物語みたいな印象。今回の日向PVは本人のやりたいことを原案として作られているので、作風はバラバラで、どこまで本人のやりたいことが作品の中に組み込まれているかはわからないけど、サイコパスでやりたいというのが茉莉からの意向だったらしく、その時点ですげぇなって思う。しかし、個人PVという自己PRの作品で本当にこれで良かったんですかね森本茉莉さん。。。