スパイダーマン観てきた。面白かった。良かった点羅列

 

マルチバースという概念がよくでてくるけど、我々の世界以外にも他の次元で同一の世界があるとかいうオタクには馴染み深いやつ。今回はそのマルチバースが開いてしまい、他の世界から敵が現れる展開になるんだけど、それがいわゆるスパイダーマンというアメコミではお馴染みのキャラでありつつも、MCUスパイダーマンでは出てこなかった敵であり、そして出自は、過去映画化されたサム・ライミ版や、アメイジングスパイダーマンで出てきた敵というのが激アツポイント。

 

ソニーが手綱を握っている作品であるとはいえ、2000年頭のシリーズと、2010年代の作品であるシリーズのキャラクターをやっている俳優さん達はある意味では、作品を降ろされている訳で、契約とかでコロコロ俳優さんが急遽変わることも全然珍しくないバカでかい映画というコンテンツでこういう人達が揃って参加することがいかに凄いことなのか、想像するだけでめまいがする。

 

スパイダーマンというコンテンツをずっと追っているファンと、製作者と俳優とすべての思いがこの映画に集結している夢みたいな作品。

 

・アメスパ観ていないのが惜しまれれる。

 

スパイダーマンの悪役は根っからの悪役ではなく、科学実験や不慮の事故などの結果で悪になってしまった人達が多く、スパイダーマンの身近な人であることが多い、彼らrと対話をしながら葛藤しながら敵対していき町の平和を守るため、愛する人を守るために手を汚すということが多いけど、今回はおばさんの教えにより、彼らもまた被害者なのであり、治すための手立てはある(MCUシリーズなのでアイアンマンのスターク博士の遺産という超科学テクノロジーがある&MCUスパイダーマンはスターク博士の後継になれるぐらい頭が良い)ので救えるという、今までにない展開なのも激熱い。

 

・基本オタクに馴染みあるエモ展開多いんだよね。そもそもMCU自体が過去作を追っていればいるほどニヤリとできるみたいな要素だし、今回の敵への対応も、いわばループもので、救えなかった過去を、何度も繰り返しついに到達できた最後の世界線みたいな趣があってとても良い。

 

・そして敵が出てくる以上スパイダーマンも出てきますよねぇぇぇ!ということで他のスパイダーマンもやってくる。彼らは映画作品になったその後の彼ら。熱い。彼らもまた大事な人を失った過去や葛藤を乗り越えたし、彼らが揃って協力して戦うシーンはシンプルに格好良い。そして前述のとおり敵を救うために3人が一緒になって救うための薬や道具を開発していく展開もまた熱い。

 

・決して彼らが救われる訳ではないけど、自分の世界線では守りきれなかった大事な人をMCU世界線では救うことができたり、心の弱さと怒りで殺してしまった敵の手を、MCU版が殺そうとした時に止めたりと、過去のもしやり直せたらを行えるという魂の救いになるような展開で泣ける。決して自分自身の世界の過去は代わりはしないけど。ドラゴンボールの未来からきたトランクスのような切なさと救い。

 

・そしてなんといっても2作目でいきなりスパイダーマンでおなじみのスパイダーマンを敵視するマスコミのおっさんが出てきた時におぉ!こいつやっぱ出るんか!ってテンションが上がったけど、スパイダーマンはおじさんだったりおばさんだったりの保護者が自分のせいで無駄に殺されてしまうという展開からスタートするんだけど、MCU版はおばさんがずっと普通に生きてるし、そもそも高校生で若く精神的に未熟。MCUに組み込まれてる時点で色々過去作とは違うからおばさんが生きてるのも普通だよなーって思ってたところで、おばさん死亡、そしてスパイダーマンの道標でもあり呪いでもある、「大いなる力には大いなる責任が伴う」というワードが飛び出してきて、衝撃を受けた。3作品もやっているけど、これ、MCUスパイダーマンでいえばまだスタートラインにも立っていなかったのか!!ここからスパイダーマンがになっていくのか!という衝撃。まじかよ!MCU3作品がスパイダーマンの前日譚になるのかよ!!って大興奮した。最後はマルチバースを閉じるために僕の正体をすべてのひとから消してと頼み、恋人も友人もかつての仲間たちにも忘れられたスパイダーマンは成長するも悲しみを抱えながらNYの片隅で苦学生をしながら1人暮らしでお手製のスーツを身にまとい、警察無線を傍受して親愛なる隣人スパイダーマンとしてNYのビルを飛び出していくというスパイダーマンの原点に回帰していくという天才の考えたストーリー展開。ああすごい。ここから彼の本当のスパイダーマンが始まっていくんだという叙情感が素晴らしい。

 

・いかんせん、MCUを履修しつつサム・ライミ版アメスパ版をみていないと(欲をいえばゲーム作品なんかも)観ていないと100%では楽しめないという非常に敷居の高い作品ではありつつも、ここまで追いかけてきたファンへのご褒美みたいな極上映画だったな。